FAQシステム導入のメリットとは。効果的な活用シーンも紹介
FAQシステムの導入効果は、まず問い合わせ件数の減少として表れます。これも大きなメリットですが、商品・サービスの開発・改善や、テレワークの課題解決につなげられることもポイントです。FAQシステムのメリットや活用シーンを解説します。
FAQそのものを作成する目的と活用方法
『FAQ (Frequently Asked Questions)』は、質問と回答を羅列した『Q&A(Question And Answer)』や、作業・操作の手順を網羅したマニュアルとは異なる概念です。まずはFAQを作成する目的や活用方法を解説します。
大きなメリットは問い合わせ数削減
FAQとは、「よくある質問」または「よくある質問とその回答集」を指します。Q&Aは質問と回答の羅列で、特に質問頻度の高いQ&Aをピックアップ・整理したものがFAQです。
ヘルプデスクで受ける質問の多くは、「同じような質問」つまりFAQに集中します。FAQの対応をスムーズに行うことで、オペレーターは本当にオペレーターが必要とされるコア業務に集中でき、業務効率化につながります。
公開するFAQが充実すると、質問者の自己解決率が高くなり、問い合わせ件数を大きく削減できることもメリットです。問い合わせ件数の減少はコスト削減につながり、オペレーターの時間的負担・精神的負担も軽減します。
FAQシステム化やチャットボット活用で効率UP
『FAQシステム』とは、FAQサイトやFAQページの作成に特化したCMS(コンテンツ管理システム)の総称です。自社サイトや社内ポータルサイトにFAQサイトを公開したり、オペレーターの問い合わせ対応中に関連FAQを表示したりできます。
強力な検索機能や分析機能を備え、問い合わせ件数の削減や顧客満足度の向上、持続発展的な運用にも役立ちます。
AI(人工知能)を搭載した『AIチャットボット』にFAQデータを学習させれば、文章による検索や、質問者の意図を読み取った回答の提案も可能です。質問者とAIチャットボットがチャット画面で対話するだけで、回答の提示からオペレーターへの誘導まで自動的に対応できます。
AIチャットボットの導入によって、問い合わせ件数の数10%削減や、年間数千万円のコスト削減を実現した企業も多数います。
企業の成長に役立つメリットがある
FAQシステムは問い合わせ件数を削減するだけのツールではありません。顧客向けにFAQサイトを公開すれば、企業の成長に役立つさまざまなメリットを享受できます。
顧客をガッカリさせない
回答までの動線が整理されていないQ&Aページや、どこに知りたい情報があるか分からない製品・サービス紹介ページでは、顧客が疑問を解消できずに離脱することも多いでしょう。
FAQサイトはよくある質問に特化しているため、多くの顧客にとって検索精度が高く使いやすいことがポイントです。FAQサイトは顧客が知りたい情報にアクセスしやすく、顧客満足度の向上が期待できます。さらに、製品・サービスの理解度を深めやすく、購入・利用に結びつけやすくなることもメリットです。
オペレーター支援型のFAQシステムと組み合わせれば、対応の均質化や保留時間の削減ができ、顧客満足度やコンバージョン率のさらなる向上が期待できます。
潜在的なニーズや不満を発見できる
FAQシステムによっては、問い合わせ履歴の集計や分析を自動化・半自動化できます。FAQサイトのアクセス分析も顧客情報とひも付けて行えることがポイントです。
FAQシステムを運用するほど、顧客の声は蓄積されつつ整理・分析され、商品・サービスに対する潜在的なニーズや不満を発見できます。運用履歴を商品・サービスの開発・改善につなげられることも大きなメリットです。
充実したFAQサイトはSEO対策にもなる
FAQシステムによっては、公開するFAQページの情報をGoogle検索やYahoo!検索でもヒットするように設定できます。日常的に利用するインターネット検索からFAQページに誘導できるので、充実したFAQサイトは『SEO(検索エンジン最適化)』対策にも効果的です。
この場合の質問者はFAQサイトの構造を意識していないので、FAQをカテゴリー分けして表示したり、関連FAQも表示したりするなどの工夫を凝らしましょう。
社内問い合わせにも効果的
FAQシステムは、社内ポータルサイトにFAQやマニュアルを公開したり、社内ナレッジを共有することでテレワーク・在宅勤務の問い合わせ対応に活用したりもできます。社内問い合わせの課題解決にも有効活用しましょう。
残業時や在宅勤務時でも利用できる
社内問い合わせの窓口を社内向けFAQサイトに一本化すると、社員は残業時や在宅勤務時でも、担当部署を意識することなくFAQを検索できます。
よくある質問に関しては自動的に対応できるため、質問者・オペレーターの時間的負担を最小化できることもメリットです。
社内ナレッジに基づく正確な情報が得られる
FAQシステム未導入の企業では、社内問い合わせの対応履歴やノウハウは属人化しやすく、「同じ質問の対応方法がオペレーターによって異なる」という事態が発生します。特に質問者が在宅勤務者・テレワーカーの場合、当事者同士の会話で完結しやすく、情報共有に支障が生じるケースも多いでしょう。
FAQシステムで社内ナレッジを共有すると、FAQに対する対応マニュアルや正確な回答を、オペレーターや質問者が随時確認できます。情報共有が困難な職場こそ、FAQシステムの活用が急務と言えるでしょう。
まとめ
FAQシステムの導入効果は、まず問い合わせ件数の削減として表れます。これも大きなメリットですが、オペレーターの負担を軽減できることや、商品・サービスの改善点を発見しやすくなることもポイントです。
さらに、社内ナレッジを共有することで、テレワーカーや在宅勤務者との情報共有もスムーズに行えます。全社的な業務効率化や業務品質の向上、ひいては売上アップにつなげられるのがFAQシステムです。