チャットボットの利点、問合せ対応のコスト削減以外にどんなメリットがあるか?

チャットボットを社内で利用する利点は、殺到する社内問い合わせへの対応コストの削減だけではありません。チャットボットはヘルプデスク要員代替ツールとしてだけでなく、業務効率化ツールとして、また社内コミュニケーション活性化ツールとして、企業の中で役立つことで知られています。

業務効率化ツールとしてのチャットボット

社内向けにAIチャットボットを導入する際、ほとんどの企業の第一課題としてあげられるのが、社内問い合わせの削減です。電話やメールなどで全社的にあらゆる部署から同じような質問が繰り返し発生していることで、社内ヘルプデスクを担う部門の問い合わせ対応工数を削減したいとのことで導入が検討されます。

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しかし、チャットボットでコスト削減が可能な範囲はここだけではありません。社内に多くの質問が常に発生しているということは、裏を返せば、質問者である社員側でも“業務を進める上で必要な情報を探す時間”が発生しているということです。誰かに質問をするということは、何かわからないことがあり、その回答となる情報を探しているということなのです。

実は、この「質問者側の情報を探す時間」のほうが、社内ヘルプデスクの問い合わせ対応時間より、のべ合計時間として圧倒的にコスト大となることがほとんどです。なぜなら、社内問い合わせの上記のような課題を感じている企業の多くは、中堅~大企業であり、社員規模が大きくなればなるほど、質問者数(社員数)は増え、それにより“情報を探す時間”の全社ボリュームが如実に増していくためです。

“社員の情報を探す時間”は見えないコストロスであり、この課題を解決できるツールとしてチャットボットは大変有効です。

社内コミュニケーション活性化ツールとしてのチャットボット

AIチャットボットが、FAQ構築システムやファイルサーバなど、これまでの情報共有ツールと大きく違うところは、それがヒューマニスティックであることです。

チャットボットですから、チャットを行うロボットであり、ひいてはシステムに人格を持たせることができます。「ほしい情報を自分で見つけにいく」という従来システムの利用感覚とは全く違い、「ほしい情報を知っている“者”から教えてもらう」という人間同士の知識のシェアやチームプレーに近い感覚となります。

そうなることで、利用者にはチャットボットへの親近感や愛着が生まれ、チャットボットが社内コミュニケーションにおけるひとつのトピックとなることが頻繁に起こります。社員の共通の話題となり得るのです。

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社内でチャットボットを導入するD2C R社の事例はその最たるもので、同社のチャットボットはまるでイチ社員が人間と一緒に働いているかのような存在感を示しています。少し風変わりなロボット社員がいることは、社内コミュニケーション活性化の一助となり得るのです。