チャットボットのサービスの仕組みは?事例や選び方とともに解説
チャットボットのサービスは、どのようなものなのでしょうか?
基本的なチャットボットの仕組みとともに、サービスの種類についても解説します。
具体的な事例も参考に、自社にどのように生かすかを考えた上で、導入を検討しましょう。
チャットボットの仕組み
「人間のように会話(チャット)をするロボット」という意味のチャットボットは、どのような仕組みでユーザーの質問に答えたり会話を続けたりしているのでしょうか?
ルールベース型と機械学習型の違い
自然に会話するように回答するチャットボットですが、その仕組みには大きく分けて下記の2種類があります。
- ルールベース型
- 機械学習型
決められたルールに従って回答するのが『ルールベース型』です。
自社のWebサイトに掲載されているFAQや、あらかじめ設定されたシナリオに沿って回答します。
そのため、設定されているシナリオ以外の回答はできません。
『機械学習型』は、ユーザーが入力した言葉を解析し、統計に基づいて求められていると判断できる内容を回答します。
回答が誤りの場合には、その回答が間違いであることを学び、精度を高めていく仕組みです。
回答の回数が増えるほど、精度が高まる仕組みといえます。
サービスの分類
サービスの種類によってもチャットボットを分類できます。代表的なのは、下記の4種類です。
- チャットボットAPI
- 言語処理システム
- Webチャット
- メッセージングAPI
データを登録することで回答できるようになるのが『チャットボットAPI』です。チャットボットの本体ともいえるでしょう。
チャットボットAPIとセットになっていることが多いのが『言語処理システム』です。文章を分析・分類する、チャットボットの頭脳といえます。
同じくチャットボットAPIとつなぐことで使用できるのが『Webチャット』です。Webサイトに設置して、入出力のツールとして活用します。
また、チャットボットとSNSをつなぐ『メッセージングAPI』というサービスもあります。
導入により可能になること
自社のWebサイトやSNSにチャットボットを導入すると、以下のようなことが自動でできるようになります。
- 問い合わせ対応の自動化・効率化
- 回答精度の向上
- 社内システムの効率化
チャットボットを問い合わせの窓口として活用することで、単純な問い合わせはチャットボットに任せ、有人対応が必要な問い合わせにだけ集中できます。
そのため、これまで問い合わせにかかっていた時間を減らし、効率化を進められるでしょう。
機械学習型のチャットボットなら、回答する回数が増えることで、より正確に答えられるようにもなっていきます。
また、在庫管理システム・人事管理システムなどとの連携も可能です。
社内システムをより効率的に活用できるでしょう。
主な導入事例
では、チャットボットを実際に導入した企業では、どのような使い方でどのような成果が出ているのでしょうか?具体的な導入事例を紹介します。
効率化と顧客満足度向上の例
アスクルでは、自社ECサイト「LOHACO」にカスタマーサポート用のチャットボット「マナミさん」を導入することで、問い合わせ対応の自動化・効率化を実現しました。
問い合わせのうち3割強をチャットボットで対応できるようになり、人件費の削減にもつながっているそうです。
また、ソロエルアリーナでは、チャットボット「アオイくん」と注文データの連携を実施することで、ユーザーの利便性向上にもつながっています。
チャットボットで、領収書発行・請求書再発行・キャンセル・配送状況の確認などをできるようにしたのです。
スムーズな対応は、顧客満足度の向上につながっています。
ユーザー利便性向上の例
不動産賃貸仲介大手のハウスコムでは、ユーザーに合わせた対応が可能なチャットボット「コムる君」を開発しました。
閲覧しているページ・直前の行動・入力内容などを総合的に判断し、対応をアシストする仕組みです。
より自然な会話が続けられるよう、さまざまな雑談の情報も事前に学習させています。
そのため、シナリオに沿わないユーザーの質問や発話に対しても、まるで人間のような受け答えが可能だそうです。
膨大な情報の中から、好みに沿う物件をスムーズに探す手助けが可能なチャットボットは、ユーザーの利便性向上につながっています。
サービス比較のポイント
さまざまなサービスがあるチャットボットですが、どのような基準で選ぶのがよいでしょうか?サービスを比較するポイントを紹介します。
アルゴリズムなどの種類
まずチェックするべきなのは、それぞれのサービスで採用しているアルゴリズムの違いです。
大まかに分類すると『シナリオ型』と『AI型』になります。
シナリオ型は、事前に登録しているシナリオや回答の範囲内でやり取りをするチャットボットです。
登録している範囲内でのみ、回答できます。
言語処理が含まれている『ログ型』、シナリオを作成し選択肢で回答する『選択肢型』、登録した単語で反応する『辞書型』、選択肢型と辞書型を合わせた『選択肢&辞書型』が、シナリオ型の種類です。
一方『AI型』は、ユーザーとの会話を通して学習します。ユーザーの意図を理解して回答するため、より人間に近い会話ができるでしょう。
自社の導入目的やサポート体制
なぜ自社でチャットボットを導入しようとしているのでしょうか?
目的をはっきりさせることで、必要なサポートが過不足なく含まれているサービス選びができるでしょう。
例えば、問い合わせ窓口の負担軽減をしたいなら、導入支援が充実していて回答精度の高いサービスを選ぶとよいでしょう。
また、チャットボットのサポートとして、代表的なものに下記があります。
- データチューニング
- 操作に関するサポート
- ヘルプデスクによるサポート
- コンサル
- Webトレーニング
企業によって、必要なサポートには違いがあるでしょう。そのため、必要なサポート体制が十分かどうかをチェックして選ぶことも大切です。
まとめ
チャットボットには、さまざまなサービスがあります。
基本的な仕組みを知った上で、サービスごとの特徴やサポートの違いを把握して、自社の目的に合ったものを選びましょう。
相性の良いサービスを導入することで、業務効率化や人件費の削減・ユーザーの満足度向上につなげられる可能性もあります。
紹介したポイントをもとに比較検討し、チャットボットを自社のサービスに生かしましょう。