チャットボット活用でECサイトの質が向上。8のメリットを解説

チャットボットはECサイトにも役立つツールです。ECサイトを利用するお客様はもちろん、運営する企業にもメリットがあるのです。そこで、具体的なメリットと、企業の導入事例を紹介します。自社のチャットボット活用に役立てましょう。

顧客満足度を向上させるツールとなる

机を囲んで話し合う人々

ECサイトにチャットボットを導入すると、これまでお客様が不便に感じていた部分の改善につなげられます。そのため、ECサイトへの満足度が高まることが期待できるのです。

不明点をピンポイントで解決できる

ECサイトを見ていて疑問が出てきたとき、チャットボットがあればすぐに疑問を入力し、回答を得られます。疑問に思ったことだけを『スピーディーに解決』できるのです。

これまでは、お客様の疑問への回答は、FAQやよくある質問といった項目を設置することで対策するのが一般的でした。しかし、これでは、さまざまな質問と回答の一覧の中から、答えを探し出してもらわなければいけません。疑問に対応する部分がなかなか見つからない場合、調べるのに疲れてECサイトから離脱してしまう可能性もあるでしょう。

チャットボットを利用して、ピンポイントで疑問を解消することで、ECサイト利用時のストレスを減らせるのです。

商品選びに役立つ

チャットボットの導入によって、店舗で行う接客のような対応が可能です。お客様の情報や希望を、会話するようにチャットボットでヒアリングし、『おすすめ商品の提案』ができるのです。

商品点数が多いECサイトや、似た特徴を持つ商品を多く扱っているECサイトの場合、お客様が自分自身で商品を選びきれないということがあります。

そのようなときに、チャットボットでおすすめ商品を提案することで、お客様にぴったりの商品後選びをする、後押しになるのです。

些細なことも気兼ねなく質問できる

人に直接聞くほどでもない小さな質問や、問い合わせしにくい内容の質問でも、チャットボットであれば『気軽に問い合わせ』ができます。システムだからこその質問のしやすさがあるのです。

問い合わせ内容の入力も、メールで行うように長々と書く必要がありません。簡単な入力のみで良いため、手軽に利用できるのです。

加えて、ちょっとした質問をその場ですぐに解決できる、という点もメリットといえます。電話やメールのように、回答を得るまで待たされることがありません。回答の内容もシナリオとして登録されているため正確です。

運営側にもメリットがある

1つのノートパソコン画面を一緒に見ている5人

チャットボットのメリットを得られるのは、お客様だけではありません。活用の仕方によっては、ECサイトの運営側にとっても、さまざまなメリットがあるツールです。

省人化に貢献

まず挙げられるのは、自動化により『省人化』できる、という点です。
チャットボットがない場合、ECサイトへの全ての問い合わせにスタッフが対応します。しかし、チャットボットを導入すれば、シンプルな質問に対しては自動化が可能です。

スタッフが対応するのは、チャットボットで十分な回答ができないケースに限定できます。専門性が高く複雑な質問にのみ、スタッフを集中させる態勢が構築できるため、業務効率の向上につながりやすいのです。

サイト改善のヒントが得られる

チャットボットを活用すると、ユーザー属性や売れ筋商品などのデータを効率的に蓄積できます。そして、蓄積したデータを元に、よりお客様が利用しやすいよう、ECサイトを改善しやすくなるのです。

例えば、チャットボットとお客様とのやり取りで蓄積した、お客様の属性データを元に、ECサイトのデザインや取扱商品を改善できます。

また、サイト設計の問題点を修正する際の参考にすることも可能です。回遊ルートや離脱ポイントをチェックできるようになるため、問題のあるポイントをすぐに特定し、改修できます。

多言語対応で海外顧客も取りこぼさない

多言語に対応できるチャットボットを導入すれば、『海外からのお客様』にもECサイトを利用してもらいやすくなります。日本語のECサイトを十分に理解できなくても、チャットボットによるサポートがあれば、買い物ができるからです。

例えば、日本語表記しかなく商品がうまく探せないと困っているお客様でも、チャットボットが多言語に対応していれば、自身が分かる言語で商品について問い合わせができます。

お客様がどこにいるどの言語を使う人であっても、スムーズに買い物ができる体制を整えられるのです。

サイトへの導入にあたって

ノートにメモを取る人

チャットボットは、お客様にも運営側にもメリットのあるツールです。 ただし、自社に合ったチャットボットを導入するためには、似たツールとの違いや、チャットボットの種類による特徴の違いを知った上で、選ぶことが大切です。

Web接客ツールとの違いを知ろう

お客様の質問に答えるツールには、チャットボットの他にWeb接客ツールがあります。両者の1番大きな違いは、『対応しているのがスタッフかシステムか』という点です。

スタッフが対応しているWeb接客ツールは、サイト上のチャットを用い、スタッフに直接話しかけられます。人が対応するため、臨機応変な対応も可能です。

一方、チャットボットは、登録したシナリオに合わせてシステムが回答します。決められた質問には回答できますが、内容が込み入った珍しい質問には回答できないこともあるのです。 そのため、お客様の全てのニーズを満たせるわけではありません。

目的を考えてタイプを選ぼう

複数の種類があるチャットボットは、ECサイトでどのように利用するのかを考えた上で選ぶことが大切です。

例えば、チャットボットを導入したいけれど、コストは押さえたいという場合には、『完全無人型』を選びます。FAQに掲載されているような、シンプルな問い合わせにだけ回答できるタイプは、全ての問い合わせに対応できるわけではありません。しかし、常駐スタッフが不要のため、コスト削減につながります。

チャットボットでよくある質問に回答し、珍しい質問にはスタッフが直接対応する体制を作るなら、『ハイブリッド型』が良いでしょう。 自動対応できなかった質問にスタッフが答えることで、全てのお客様の問い合わせに漏れなく対応できます。

ECサイトへの導入事例

イヤホンをしながらパソコンを操作する男性

ECサイトへの導入で、さまざまなメリットがあると分かったチャットボットですが、具体的にどのような導入事例があるのでしょうか?

導入事例1 株式会社 資生堂

資生堂では、メッセージを送るように相談できる、LINEチャットボット『資生堂 お客さま窓口』を導入しています。

問い合わせに対して、AIの『みみちゃん』が選択肢や回答を提示する仕組みです。有効な回答ができない場合には、営業時間内のみ利用できる、『Webビューティーコンサルタント』につながる窓口が提示されます。

また、資生堂は社内でもチャットボットを導入し、社員が対応する問い合わせ件数を減らす体制作りに成功しています。

導入事例2 株式会社 ナノ・ユニバース

セレクトショップやオリジナルブランドを展開する株式会社ナノ・ユニバースで導入しているチャットボットは、新入社員というキャラクター付けがされた『nano-bot』です。人工知能(AI)による自然言語解析技術を使っているのが特徴です。

実際の運用を始める前に、これまでに蓄積した問い合わせデータの約9割を学習させています。その上で、さらにAIにより学習を継続しており、自然な受け答えやファッション分野への知識の蓄積も行われているのです。

そのため、チャットボットだけで解決できる問い合わせが、全体の約7割にも達しています。 同時に、チャットボットにより蓄積したデータを、販売戦略に活用している点もポイントです。購入単価や年間購入回数を伸ばすことに成功しています。

導入事例3 アスクル株式会社

アスクル株式会社が運営する、個人向けネット通販と、事務所向け通販サービスには、それぞれ『マナミさん』『アオイくん』というAIチャットボットが導入されています。

マナミさんは、質問を選択・入力することで、約600種類の回答から、適したものを提示できる仕組みで、24時間いつでも問い合わせへの対応が可能です。

また、アオイくんは、チャットボットと注文データを連携させることで、領収書発行や注文キャンセルなどをチャット上でできます。それにより、お客様の使いやすさをさらに向上させることに成功しています。

まとめ

チャットボットは、ECサイトへの導入にもメリットがあります。お客様がより手軽に疑問を解消することや、スムーズな買い物をするために役立つのです。

同時に、ECサイトの運営側にとっても、省人化しやすい点や、海外のお客様に利用してもらいやすくなるという点で、メリットがあります。

具体的な導入事例も参考にしながら、自社に合うタイプのチャットボットを導入することが大切です。