BtoB製造業の管理部門における社内AIチャットボット導入事例。オムロンエキスパートリンク株式会社
社内用AIチャットボット「My-ope office」を利用するオムロンエキスパートリンク社の導入事例をご紹介します。今回、チャットボット導入プロジェクトをご担当された同社経営統括本部の中田さん(左)、笹井さん(中央)、野口さん(右)にインタビューさせて頂きました。
オムロンエキスパートリンク株式会社 会社概要
Q.貴社の事業内容について教えて下さい。
A.オムロンエキスパートリンク株式会社は、国内オムロングループの人事、総務、経理といったスタッフ業務を一手に担うオムロングループ企業です。
国内におけるオムロングループのスタッフ業務を一手に担い、グループの更なる成長を支えると共に、新たな価値を生み出す革新的なバックオフィス機能の構築にチャレンジしています。
拠点・グループ会社の人事・総務・経理の高度な専門性をもった人財と機能を集約し、ガバナンスの強化と運営効率向上の実現を目指しています。グループの「事業基盤の構築」を通して、オムロンの企業理念である「よりよい社会づくり」に貢献しています。
AIチャットボットの導入について
Q. ご利用人数(エンドユーザー数)について教えて下さい。
A.現在、チャットボットの利用対象となるユーザは12,000人を超えています。国内オムロングループのほぼすべての社員がチャットボットにアクセスすることができ、質問に答えられるようにしています。
Q. AIチャットボットを社内導入しようと思われたきっかけは?
A.各事業部門において、「顧客からの問い合わせに対応する」ということは避けることが出来ない業務です。
そして問い合わせ内容も多岐に渡ります。顧客からの問い合わせがあれば、その内容について、社員が社内関係部署に問い合わせることが多いため、色々な部門から同じような問い合わせが寄せられたり、定型的な回答内容となるものも多く、人手による対応を減らせるのではないかと考えていました。
マニュアル化やFAQリストの整備などにも取り組んでいましたが、質問者の目線で考えたときに問い合わせの手軽さや、回答までの待ち時間の短さなどから、チャットボットで新しい価値を生み出せると考え、導入を進めました。
Q.導入によって改善された点を教えて下さい。
A.立替旅費・経費システムに関するQAを2020年9月にチャットボットにデータ投入し実装しました。2020年10月では、チャットボットに質問が入力された数は3,000件ほどに上ります。
経費システムは新しく導入されたシステムですので、このシステムのヘルプデスク体制において、人手による問い合わせ対応工数がどれほどであったかというデータはありません。
しかしながら、チャットボットを導入したことによって、当初見積もっていたヘルプデスク体制から、1~1.5人ほど少ない体制で運用できており、対応遅延などの大きな問題を起こすことなく順調に稼働できています。
Q.導入検討時の弊社スタッフのご案内はいかがでしたか?
A.資料請求からトライアルのご準備まで短期間でスピーディにやって頂けたことが良かったです。また、プランやサービス内容が明確で、対応出来ない部分もその場でご説明いただき、非常にわかりやすかったです。
それから、こちらの希望通り、ほとんどのやりとりをメールでやっていただけたので、ミーティングや電話など、余計な時間をとる必要もなく、スムーズに導入に至ることができました。
Q.現在チャットボットの運用はどの程度されていますか?
A. QAデータの新規登録やメンテナンスは、各事業部門で担当者が隔週でやっています。そのアクションのトリガーアナウンスは、チャットボット運用統括である経営統括本部が出しています。
My-ope officeのチャットボットをリリースしてからまだ3か月ほどですので、ゆくゆくは月一回程度になるように進めています。対話データなどのログ解析も隔週で行っています。
それから、挨拶・雑談・日常会話データも、空いた時間があれば作っているのですが、ボットとの“何気ない会話”も社員の方から反響がよく、社内に良い影響を与えているようです。
Q.他社チャットボットと比較検討はされましたか?
A.はい、比較検討したのですが、機能面とコスト面のバランスで一番よかったのがMy-ope officeでした。具体的には、QA登録数に上限がなく料金が定額制であること、QAデータをカテゴライズしておくトピックタグ機能にもタグ数上限がありません。
それから、問い合わせ者を正しい回答に導く「サジェスト機能」も画期的で、ボットとの会話がより正確でスムーズになる点も良いと感じました。ダッシュボード機能もシンプルで、利用状況が分かりやすいことも決め手になりました。
Q.My-ope officeに今後ご期待頂いている点は?
A.オムロングループは製造業の会社で、産業用製品の売上も多くを占めております。BtoB特有の高い安全レベルのものづくりに関わることが多く、社内問い合わせにおいても、入念な確認電話や直接の対面で話をするシーンがよくあります。
またスピーディに効率的に情報を共有する以前に、やはり「ちゃんと話をしないとお互い失礼ではないか」という習慣がありました。それらは場面によってはとても重要なことなのですが、双方ともに時間や労力を浪費しかねません。
My-ope officeのチャットボットを使ってもらうことによって、不明点を早く簡単に解決できる新しい手段があるのだと認識してもらい、良いところを残しつつ生産性向上につなげられればと思っています。